2007年7月25日 (水)
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今週の格言
治まり定石からはハサミを打つな！☆☆☆



ひろみ おにいちゃん、「治まり定石」ってどんな定石なの？

義行 「治まり定石」とは相手が有利なところで早く治まることを目的とした定石のことなのだよ。例えば白2とハサミを打たれたら黒1はすごく苦しいよね。そんな時に黒3〜黒5と打つのが代表的な「治まり定石」なのさ。ところでひろみちゃんはこの後黒7とハサミ返す手をどう思う？



ひろみ ▲のハサミの良し悪しね。左上の黒は強くなったから白1と分断されても怖くないし▲も黒2〜黒4で心配なし！白5の受けに黒6と打てば黒が有利な戦いだから▲はとっても良い手だと思うわ！

義行 確かにこうなれば黒が楽勝だよ。でも・・・

ひろみ でも何なの？まさか白は△を捨てるなんてことはないでしょ。



義行 その「まさか」なのだよね〜！白1と打たれたら黒はどうするの？

ひろみ もちろん黒2と分断する一手！

義行 白3にも当然黒4だよね。その後白5から白7と打たれたとして形勢はどうなのかな？

ひろみ 下辺に黒8〜黒10と展開すれば黒が悪くないのでは？



義行 白1と右上の三々に入り白9までとなったとして形勢判断をしてみようか。黒は左上が20目、下辺も20目、右上は10目弱として計50目弱。白は上辺が35目、左下が10目、右辺が5目としても計50目で黒はコミを出すことが苦しいだろう。

ひろみ 本当ね。でもどうして▲のハサミは良くないの？

義行 いいかい、「治まり定石」とは一刻も早く生きることを目的とした定石なのでどうしても位が低くなるよね。位が低い「治まり定石」から▲とハサミを打っても発展性がない(△を取ってもつまらない)からあっさりと捨てられてしまうと言う訳。▲では黒ａが正解！左辺は(黒ｂのスベリが残り)スソアキなので白に打たれても大したことはないからね。



ひろみ なるほどね〜！生きた石からハサム手は安全だから良いのかと思っていたけれど実は効率が悪い打ち方だった訳ね。他にもよく実戦で現れる「治まり定石」があれば教えて欲しいな♪

義行 了解。白1の三間バサミもよく打たれるよね。ここで黒2〜黒4が典型的な「治まり定石」なのだよ。

ひろみ と言うことはこの後黒6〜黒10と打ってはいけないのね。(でも実戦だと絶対に打ちそう)

義行 その通り！黒が黒2〜黒4と生きている間に白は白3〜白5とヒラキを打てたことで白1は用済みになったのさ。今更用済みの白1を黒6〜黒10と攻めに行っても捨てられてしまうだけだからね。黒6ではやはり黒ａが最大の一手。どうだい、もう「治まり定石」からハサミを打つ気がしなくなっただろう(笑)

ひろみ は〜い、もう絶対に「治まり定石」からはハサミを打たないことを誓います〜！