2006年12月05日 (火)
バックナンバー

今週の格言
定石は複数の変化を覚えなければ意味がない!



義行 今日は宿題の解答からだったよね。ひろみちゃん、白2とツケられた後の打ち方を考えて来たかい?

ひろみ もちろんよ!今回は絶対の自信があるわ。

義行 ほう、今回も自信満々だね!では早速その打ち方を見せてもらおう。



ひろみ 最初に考えたのが黒1のオサエ。でもこれは白2白4と左上を生きられると上辺の打ち方に困るのよね。黒5黒7と打ってみても白8にヒラキを打たれると何の意味もないから黒が失敗でしょ。かと言って黒7で黒白8にハサミを打つのも白a黒bに白cと打たれて良くないと前回勉強したところだし・・・

義行 そうだね、これはどう見ても黒が大失敗!それで何か他に良いアイデアは浮かんだのかな?



ひろみ そこで考えたのが黒1から黒3と押さえる手。白8までとなった時に黒9と大ゲイマにシマルのはどう?

義行 すご〜い、文句なしの解答だね。いやぁ、いつの間にそんなに強くなったの?!

ひろみ 本当のことを白状するわ。最初に言ったように△には黒aと押さえる手しか思いつかなかったのよ。でもそれでは上手くいかないので何かヒントがないかと格言講座のバックナンバーを見ていたら・・・

義行 Vol,104に同じ形が載っていることに気がついたと言うところかな(笑)

ひろみ そうなの。なんだ、お兄ちゃんは知っていたのね。

義行 ひろみちゃんの解答があまりにも完璧だったのですぐわかったよ(笑)でも、バックナンバーを復習したことはとっても良いことなので褒めてあげよう。いいかい、△のツケに対して黒aの押さえは上辺重視の定石なのだけれど今回のように上辺がつまらない場合は黒a以外の定石も知っておかないと困るよね。



ひろみ なるほど、だから格言は「定石は複数の変化を覚えなければ意味がない!」なのね。他にも同じような例があったら教えて欲しいな・・・

義行 じゃあ、三子局で黒2のカカリに白3とハサミを打たれたら黒はどう打つのが良いと思う?

ひろみ 黒4黒6の一間トビから黒8と反撃したいな。



義行 正解!では互先(左下の黒が白の場合)は?

ひろみ 実は白1に対して黒2のトビしか知らないのよね。だからこの場合もきっと黒2黒4から黒6と反撃すると思うわ。

義行 でも白7と打たれたらどうするの?左下が白だと黒がすごく苦しそうだよ。

ひろみ 本当ね。定石はひとつの変化だけを覚えても何の意味もないことがよくわかったわ。この場合は黒2以外にどんな変化を覚えたら良いの?



義行 左辺は白が有利な場所なのでこの局面では黒1と大ゲイマに打ち▲を早く安定させる定石を覚えておくと便利だよ。

ひろみ 白2と分断されると怖そう・・・

義行 大丈夫、黒3から黒11まで簡単に生きることが出来ただろう!黒1は捨石だから取られても構わないからね。△のハサミに対しては黒白4のトビ(戦う方針)と黒1(安定する方針)の二通りの変化を覚えないと無意味なのさ。

ひろみ は〜い、これからは頑張ってひとつの定石に複数の変化を覚えるようにしま〜す!