2006年5月5日 (金)
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本日の格言

捨てる石は存在がないものと思って打とう!

義行 今日は最近打った指導碁の中から教材を取り上げてみることにするね。

ひろみ お兄ちゃんに五子とはかなり強い方ね。ところで右上の打ち方はこれで良かったの?

義行 そうだなあ、多少の疑問手はあったかな。でも形勢は圧倒的に黒が有利だし、大切なのはこれからの打ち方なのだよ。白1の打ち込みに黒はどう打つ?



ひろみ 白△に打ち込まれると黒△が心配ね。五子のハンディを考えると黒△を逃げてもろくなことはなさそうなので黒1黒3とツケノビをして小さく捨てるのはどうかしら?

義行 うん、黒△を捨てる発想は素晴らしいと思うよ!右上の白は強いのでひろみちゃんの言うように黒△を逃げてもお荷物になるだけだよね。じゃあ白6と押されたら黒はどうするのかな?

ひろみ 黒7と二子の頭をハネて白8黒9で黒に不満なし!

義行 そこで白10とワリウチされたら?

ひろみ う〜ん、次に黒は下辺に打とうと思ったのに。これではツケノビ定石が働かず嫌な感じだわ。



義行 そうだろう、どうしてそうなってしまったかと言うとひろみちゃんは右辺の黒(a)を捨てる方針なのにその捨てる石を意識してしまったからなのだよ。どうせ捨てるのであれば小さく捨てようなんて考えずにその石(a)がないものと思って次の手を考えてご覧。

ひろみ あっ、そうか!もし黒がaにないと考えれば黒1黒3のツケノビは(下辺bに三連星がないので)打ってはいけなかったのよね。

義行 その通り!本日の格言「捨てる石はないものと思って打とう」の意味がわかったようだね。



ひろみ 黒△がないと考えれば黒1と受けるのが普通かな〜?

義行 正解!白は白2白4くらいだよね。そこで黒5と打ち白6黒△を取って来れば黒7でどうだい?

ひろみ 冷静に考えると右辺の白地は30目くらいしかないので形勢はまだ黒が相当良さそうね。これまでは捨てると口では言っていても実際は「小さく捨てよう」とか「もしかすると助かるのでは」なんて考えていたような気がするわ。

義行 そう、もちろん捨石を有効に利用出来れば最高だよ。でもそれはなかなか難しいことなので今は捨石に振り回されないようにすることが一番かな!

ひろみ よくわかりました。これからは捨てる石は盤上にないものと思って打つようにしま〜す!