2005年11月13日 (日)
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今週の格言
ダブルスベリは気にするな!


義行 今日は置碁、それもたくさん置いた時に役立つ格言だよ。6子局で白1白5と打たれたら黒はどう打つのが良いと思う?

ひろみ その前にひとつ聞きたいことがあるのだけれど。三連星に白1と打ち込まれた時は黒aとコスミツケて厳しく攻めないといけないのでは?

義行 なかなか良い質問だね。確かに白1黒2の受けだと白3白5と打たれて黒が少し甘いのだけれどそれは互先やハンディが少ない時の話なのだよ。前にも言ったようにハンディが多い時は満点の手は必要ないので黒2で充分なのさ。

ひろみ そう言えば前に「9子局では満点の手が最悪の結果を招く」って格言を教えてもらったような・・・と言うことは6子でも同じように考えればよい訳ね。



義行 そう言うこと。では本題に戻って白△にはどう打つのかな?

ひろみ 実戦だったら白aとスベリを打たれるのが嫌だからきっと黒1と鉄柱に打つと思うわ。

義行 白2のハイに黒3は省けないとして白4に打ち込まれたらどうする?

ひろみ 黒5と受けるくらいかな。でも白6と打たれると何だか鉄柱が攻められそうで黒が嫌な感じね。と言って黒3を省く訳にはいかないし、いったいどの手が悪かったのかしら?



義行 原因は白aのスベリを防いだ黒1の鉄柱にあるのさ。黒1白2と打たれると白△の攻めにはほとんどならないよね。それに白bの打ち込みが残っているので黒△の補強にもなっていないし地にもなっていない、つまり黒1は鉄柱の善し悪しを決める要素「攻・守・地」を含まない「クズ鉄」と言う訳。

ひろみ なるほど、黒1では攻めにも守りにも地にもならないのね。もしかして白aが格言にある「ダブルスベリ」なの?

義行 その通り!格言にあるように白aのダブルスベリは気にする必要はないのだよ。

ひろみ じゃあ黒1ではどう打てばよいのかしら?



義行 6子局なら黒1のトビがお奨めかな。これなら白にaと打ち込まれても黒bと受けておけば白cには黒dで心配ないよね。

ひろみ でも白2と侵入されてしまうのがやっぱり気になるわ。

義行 右辺は白から白2とaの2ヶ所に入る余地があり、片方だけ防いでも地にはならない場所だから白にスベリを打たれても黒3から黒5の受けで全然平気なのだよ。それに白は白△のスベリがあれば安定しているので白2とダブルにスベリを打つ必要はないよね。

ひろみ そうか!スベリは片方だけで充分補強になっているので両方向に(スベリを)打つのはかえって効率が悪いと言うことね。今週の格言「ダブルスベリは気にするな」の意味がやっと理解出来たわ。右辺下側が黒地でないとすれば白2は白地を数目増やす効果しかないので黒は気にしなくてもいい訳ね。

義行 そう言うこと。だから白2は黒地ではない場所、たとえば空き地に入ったような手なので「侵入された」なんて思わないように!黒地が出来ない場所に白2とスベリを打たれることは黒にとってありがたいことなのだよ。

ひろみ は〜い、これからはダブルスベリは気にしないようにします♪