2005年10月23日 (日)
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今週の格言
アテてツグなら黙ってノビよ!


ひろみ お兄ちゃん、最近石が競り合った時にいつも競り負けてしまうのよ。どうすれば競り勝つことが出来るのか、教えて欲しいな〜

義行 よし、今日は石が競り合った時の戦い方を勉強してみよう。4子局で黒△のハサミから両ガカリ定石が進行しているのだけれど白△のノビに黒はどう打つ?

ひろみ 競り負けないように黒1と押して白2のハネなら黒3とハネ返したいな。白aのノビなら黒5の鉄柱でどうかしら?

義行 うん、とっても立派な打ち方だよ。じゃあ黒3のハネに白がaとノビずに白4から白6と動いて来たらどう打てば良いと思う?



ひろみ 白がノビなかった訳だから黒1とアテて白2黒3とツグ一手でしょ。他には考えられないわ。

義行 でも、白4で簡単に逃げられてしまうよ。

ひろみ そうなのよ、最近はいつもこんな感じで何だか知らないうちに競り負けているのよね。悪い手を打っているとは思えないのだけれどどうしてなの?

義行 答えは簡単!ひろみちゃんが最近競り負けていたのは黒1黒3とアテてからツナギを打ったのが原因なのさ。

ひろみ えっ、アテてツグのは普通の打ち方だとずっと思っていたわ。どこがいけないの?



義行 黒aのアタリは白のキズをなくし黒は2ヶ所のキズを残す大悪手なのだよ。アテてからツグのなら最初から黒1と打ってご覧。白も白2とツグくらいだけれどひろみちゃんはここで黒aと打つのかな?

ひろみ さすがの私もここで黒aには絶対に打たないわよ!あっ、そうか!アテてツグと白2に黒aと打ったのと同じ形になってしまうのね。

義行 今週の格言「アテてツグなら黙ってノビよ」の意味がわかったかい。本当に大切なところはアタリではなく黒1のノビキリなのだよ。

ひろみ そうか、白2に黒aなどと打っていたら競り負けて当然ね。競り負けていた原因がよくわかったわ。

義行 そう言うこと。白2なら黒3から黒7と「大きな網」をかぶせれば黒が完全に競り勝っているよね。



ひろみ 黒1に白が白2と逃げて来た時はどうするの?

義行 白がツナギを打たなかった訳だから黒3と切る一手!白4には黒5黒7を利かして黒9でゲームセットだね。

ひろみ わぁ〜、すごいすごい!さすがわお兄ちゃん。プロみたいね!

義行 おいおい、お兄ちゃんはこれでもプロ棋士だよ(笑)冗談はさておき今週の格言「アテてツグなら黙ってノビよ」の考え方は応用範囲が広いので忘れないようにね!

ひろみ は〜い、これからはアテたくなっても我慢してじっとノビるようにしま〜す。