2005年4月10日 (日)
バックナンバー

今週の格言
厚みは働いていない方が実はよく働いている!

義行 今日は厚みの上手い働かし方の勉強だよ。

ひろみ 前にも「厚みを働かすな」と言うような格言を教えてもらったのだけれどイマイチ意味がよくわからないのよね〜

義行 これは大切なことだからしっかりと覚えておこうね。3子局で白△の打ち込みに黒1黒9までと進んだ時に白10と厚みを消しに来られたら黒はどう打つのが良いと思うかい?


ひろみ この場合は白に弱い石がないから厚みを攻めに使うことは出来ないわね。ツケヒキ定石の時は左辺の価値が低いから黒1と囲って黒が充分と思うわ。

義行 白2には黒3だよね。その後白4白8が予想されるのだけれどここで形勢判断をしてみようか。

ひろみ 上辺の黒地はどこまで数えたらよいのかしら。

義行 右辺はaのツケやbの打ち込みがあるからまだ地とは言えないよね。常識的には黒7黒△を結んだ線の内側が黒地なんだ。

ひろみ なるほど、じゃあ上辺の黒地は50目ちょっとかな。

義行 では左上から左辺にかけての白地は?

ひろみ 60目くらいありそうだわ。何だかもう互角の形勢になってしまったようね。でも価値が低い左辺を白に囲わせたのにどうして黒が有利にならないの?

義行 いいかい、左辺は白△によって価値があがったのだよ。だから白2白8は効率の良い囲い方となり黒が有利にならないわけさ。


ひろみ そうか、白△に黒白2と受けたから白aと打たれて左辺が大きくなってしまったのね。と言うことは上辺は気にせず黒1と打つのが正解ね。

義行 そう、よくわかったね。白が左辺の価値を上げてくれたのだから黒は喜んで黒1と打てば良いのだよ。白2白4と厚みが働かなくなった時に黒3黒5と打てたことが実は厚みの働きなんだ。上辺の黒地は白2白4と打たれても20目はあるから前図と比べて30目減っただけだよね。でも黒1黒5の三手はそれ以上の働きがあるので黒は損をしていないのに白△白4の三手は厚みを消しただけの手で地はなく前図との差は一目瞭然だろう!

ひろみ なんとなく格言の意味がわかったような気がするわ。厚みが働かなくなると言うことは相手が地に結び付かない手を打ってくれたわけだから喜べばいいのね!

義行 でも喜び過ぎてつまらないところへ打たないようにね(笑)

ひろみ は〜い!