2004年6月20日 (日)
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今週の格言
追いつかない石は追いかけるな!

義行 最近、少し難しい格言が多かったので、今週は簡単なのにしておいたよ。

ひろみ そうなの?うれしいな♪今週の格言は「追いつかない石は追いかけるな!」か…。そうね、意味はわかるわ。でも、この格言はどんな時に役立てれば良いのかしら?

義行 まず、この格言の「追いつかない石」というのは「封鎖できない石」のことなんだよ。

ひろみ …ということは、封鎖できない石を無理矢理に封鎖しにいってはいけないって考えれば良いのね。

義行 その通り!じゃぁ、例題だよ。三連星の布石で白△に打ち込まれたらどうする?

ひろみ 黒1黒3と攻める一手!

義行 ひろみちゃん、今日は調子が良いね〜(笑)白は白4白6と打つくらいなんだけど、この後黒はどう攻めれば良いと思う?

ひろみ まかしておいて!今日は絶好調なのよ!!黒1黒5と追い立てて白6と逃げた時に黒7黒9と囲う!どう?攻めながら得をする理想的な展開でしょ?

義行 すごい自信だね。どんな手でも自信を持って打つことはとっても良いことだと思うよ。さて、ほめるのはこれくらいにして白10に打ち込まれたらどうする?本当に黒が有利なのかな?

ひろみ そう言われると上辺が孤立してしまいそうだし、右上の黒も心配になってきたわ。

義行 そうだろ、黒は黒1黒5と一見気持ち良く攻めているようなんだけど、実は白の背中を押して逃がしてあげているんだよ。黒は黒7黒9で地ができて得をしたように見えるけど、実際のところは何目の地ができたか考えてごらん。

ひろみ そうねぇ、右辺はもともと黒地だったから増えたのは15目くらいかしら?

義行 正解!黒は黒1黒9と5手も使って、たったの15目しか増えていないんだよ。これじゃぁ、とても攻めの効果があがったとは言えないよね。実は白の白△が追いつかない石で黒1黒5がその石を追いかけているから黒が良くならないのは当然なんだよ。

ひろみ そうか〜、aは攻めているのではなく逃がしてあげているのね。今までは条件反射でaと打っていたわ。

義行 そうそう「着手の条件反射には気をつけよう!」って格言も前に勉強したよね。ようするに封鎖できない白△の石を追いかけても結局は逃げられてしまい、黒は疲れるだけってこと。

ひろみ じゃぁ、この場合はもう白を攻めることはできないの?

義行 そんなことはないよ。例えば黒1とサガリ隅を守っておこう。

ひろみ 白2と逃げられちゃうよ。

義行 そこで黒3と右下隅もシマルのが良い攻め方なんだ。

ひろみ あんまり攻めてるようには見えないんだけど…。

義行 もし、白が白4白6と逃げてきたら黒5黒7とどんどん他に打つ。これで形勢はどちらが有利だと思う?

ひろみ よく見ると黒が圧倒的に有利だわ。今まで私は黒1黒7をa〜dに打ってたのね。

義行 そう、黒は黒1黒7とa〜dのどちらが良いか一目瞭然だろ?まぁ、白もすぐに白4白6と逃げないかもしれないけど、その時も決して追いかけないようにね!攻めないのも立派な攻めだよ。

ひろみ よくわかったわ。今度から弱い石があっても絶対攻めないわよ!

義行 また極端なことを(笑)取れる石は取っても構わないからね。